はじめに
2026年10月3日土曜日、第8回神戸風舎「わかちあい」を、はじめて20歳代の方を対象に開催いたしました。
今回、様々な理由で大切な方を亡くされた、20歳代の3名の方がお集まりくださいました。
以前の会に参加してくださった方との再会があり、また、はじめましての方との出会いもありました。同じ世代の方だけで集まる、小さくて静かな時間となりました。
20歳代の会を開いた理由
今回、20歳代の方を対象にした会をひらいたのには、2つの思いがありました。
1つは、以前参加してくださった方に、また会いたかったから
お話ししてくださった時間のあと、どんな日々を過ごしているだろうかと、ずっと思っていました。また会って、顔を見て、今のお話を聴けたらとずっと願っていました。
2つは、「他にも、同じ思いの方がいるのではないか」と感じたから
日本では、死や喪失について話すこと、悲しみを誰かとわかちあうことは、日常の中でまだ多くありません。年齢を重ねると、少しずつそうした場に出会う機会もありますが、20歳代のような若い世代では、なおさら少ないのではないかと思っています。誰にも言えないまま、一人で抱えている方が、きっとほかにもいらっしゃる。そう思いました。
その方々が、同世代でわかちあえたら。
そういう場を開きたいと願い、今回のわかちあいを開催しました。
神戸風舎の「わかちあい」が大切にしていること
神戸風舎のわかちあいでは、
悲しみを区別しないこと
悲しみ比べをしないこと
話したくても、話さなくてもいいこと
泣いても、怒っても、笑ってもいいこと
を大切にしています。
大切な人を亡くした悲しみは、一人ひとり違います。関係性も、経ってきた時間も、その人が抱えている背景も異なります。
だからこそ、「こう感じるべき」「これくらいで元気にならなければ」という物差しを持ち込まず、その人のまま、その気持ちのまま、ここにいていい。その安心が、わかちあいの土台だと考えています。
今回のわかちあいの様子
以前の会に参加してくださった方との再会があり、また、はじめて参加してくださった方もいて、同じ世代の方だけで、静かな時間をともに過ごしました。
今回は、同世代の方同士のやりとりがたくさんありました。誰かの話に「自分も似ているよ」と共感の言葉を添える方がいたり、「そのとき、どんな気持ちでしたか?」とやさしくたずねる方がいたり。そしてたずねられた方が、また少しずつ言葉を重ねていく。そんな会話が、あちこちで自然に生まれていました。
同じ世代だからこそ伝わること、言葉にしなくても通じることがあるのだと、あらためて感じました。
小さなお茶会

会の最後には、スタッフと参加者のみなさまで、小さなお茶会をひらきました。
飲み物とお菓子をいただきながら、みんなで笑い、おしゃべりをして、あたたかく、素敵な時間になりました。
そこで見られた若い方たちの笑顔が、私たちはとても嬉しく、今でもあたたかい気もちです。
涙もこぼれた時間のあとに、こうして自然と笑い合える時間があること。それもまた、わかちあいの大切な一部だと感じています。
この場所に、たどり着けなかった方へ
今回お会いできた方がいる一方で、この場所にたどり着けなかった方も、きっといらっしゃると思います。
わかちあいの場があることを、まだ知らない方もいるかもしれません。知っていても、足を運ぶことが怖い方もいるかもしれません。20歳代という忙しい日々の中で、悲しみを誰にも言えないまま、一人で抱えている方も。
今回の会は、そんな方々のことも思い浮かべながら開きました。この文章が、「こういう場所がある」と知るきっかけになれば、それだけでも嬉しく思います。
そして、必要なときに、必要な方へ、この場所の存在が届きますように。
おわりに
参加くださった皆さま。神戸風舎の「わかちあい」へ足を運んでくださり、本当にありがとうございました。
ご自身の思いを語ること、あるいは語らずにそこにいることには、大きな勇気が必要だったことと思います。お話しくださったことも、言葉にせず心の中で大切にされていたことも、そのすべてがこの場をつくってくださいました。
わかちあいのあとは、心や身体に疲れを感じることもあります。どうか無理をせず、ご自身をいたわりながら、ゆっくりとお過ごしください。
大切な方を亡くした悲しみが、なくなるとは限りません。それでも、その悲しみを一人だけで抱え続けなくていい場所があること。同じ世代の人たちと、言葉や沈黙を分かち合えること。そして、ときには一緒に笑えること。
神戸風舎は、これからもそのような場所でありたいと願っています。
話したくなったとき。誰かの話を静かに聴きたくなったとき。一人で抱えることに少し疲れたとき。必要なときに、またこの場所を思い出していただければ幸いです。
ご参加くださった皆さま、そして最後までお読みくださった皆さま、本当にありがとうございました。


